私の友人Aさんは、数年前に複数の借金を抱え、精神的にも経済的にも追い込まれていました。きっかけは、小さなカードローンの利用でした。最初は数万円でしたが、返済が追いつかず、支払いのために別のカードを使うようになり、やがてクレジットのキャッシング枠も利用するようになってしまいました。さらに、友人との交際費や日用品の分割購入が重なり、気づけば借金の種類は消費者金融、クレジットのリボ払い、携帯端末の分割未払いと、三種類以上に増えていたのです。
最初のうちは本人も「来月には返せるから」と軽く考えていたようですが、利息が膨らむスピードは想像以上に早く、返済額のほとんどが利息に消えていく状態になりました。その頃から郵便物が怖くて開けられなくなり、電話が鳴るだけで心臓が跳ね上がると話していました。精神的な負担は相当なもので、このままでは生活が崩れてしまうと周囲も心配していました。
そんなAさんがまず行ったのは、借金の総額と毎月の返済額をすべて紙に書き出すことでした。現実と向き合う作業はつらかったそうですが、「見える化」したことで状況が把握でき、解決に向けての第一歩になったと言っていました。次に、債務整理を専門とする相談窓口に勇気を出して相談しました。相談自体は無料で、対応してくれた担当者はとても親身で、返済額の減額や督促の停止など、いくつかの選択肢を丁寧に説明してくれたそうです。
結果的にAさんは、任意整理を選びました。これにより利息がカットされ、毎月の返済額も大幅に減り、督促の電話も止まりました。「あの瞬間、やっと息ができた気がした」と笑っていました。また、返済計画を見直す過程で、収入と支出の管理方法も改善し、家計簿をつける習慣も身につけたそうです。
数年かけて返済を完了したAさんは、今では借金に頼らない生活を取り戻しています。本人が言っていたのは、「借金は悪いものじゃないけれど、現実を見ないのが一番危険」という言葉でした。問題を抱えたときに、一人で悩み続けるのではなく、専門家や周囲に頼ることがいかに大切かを身をもって知ったのだと思います。
この体験を通して、借金は“返せないこと”よりも“向き合えないこと”が問題を悪化させるのだと感じました。Aさんのように勇気を持って一歩踏み出せば、状況は必ず変わるということを強く実感しました。
