離婚、そして退職、残ったのは借金だけ

国産車のディーラーで営業職をしていました。高級車を扱うラインだったのでお客さんも比較的裕福な人が多くて、若かった僕はよく可愛がられました。

仕事にも慣れたころにひとりの女性と恋に落ちて結婚。会社からは車で30分くらいかかるけど、新興住宅地に新築の一軒家を買いました。頭金を少し両親に出してもらいました。約3000万円の家です。

しかし、夢物語だったのもその頃までで、仕事も家庭もうまく回らなくなってしまいました。ひとつ歯車が狂いだすともう止まることができません。

まずは離婚。家は私のものになりましたが、離婚のゴタゴタで貯金はまったくありません。ローンと広い家だけが残りました。

もともとお酒が好きだった私はひとりなのをいいことに夜はお酒ばかり飲むようになりました。

夜だけ飲んでいたころはまだよかったのかもしれません。そのうちに朝目を覚ましてもお酒が抜けきれないようになりました。

そしてついにその日はきました。そうです、お酒が抜けきれていないにもかかわらず車で出社していたところ、警察に止められてしまいました。

呼気を調べるともちろんのこと基準値以上のアルコール。会社は車を扱う仕事だったので、在籍しておきわけにはいれませんでした。

幸いにも任意退職という形にはなりました。

ローンを払うためにクレジットカードのキャッシング枠を使う生活。知り合いから回してもらうその日暮らしの仕事。増える酒量。終いには朝昼晩と問わずにアルコールを飲んでいました。

ぶっ倒れたところで家を精算しようと思い、売りに出しました。足元を見られて買い叩かれました。私に残ったのは住宅ローンだけです。